軽自動車でも楽に使える!回転式チャイルドシートの魅力と取り付け方法
様々な種類のチャイルドシートの中でも、人気の高い回転式チャイルドシート。特に新生児期からの使用に検討される方は多いと思います。はじめてのチャイルドシート選びは何をどう見て選んだらいいのか、本当にこのタイプでいいのか、悩みますよね。
回転式チャイルドシートの最大の特徴は、なんといっても乗せ降ろしがラクということ。
クルッと自由に方向転換をすることができるため、無理なく楽に乗せ降ろしができます。安全性・利便性・快適性の三拍子が揃い、産後の腰痛に悩むママにもおすすめです。
一方で、シート本体に土台が付いているため、他のタイプと比べてサイズが大きく車種によっては不便さを感じることもあります。重さもかなりありますので頻繁な付け替えには不向きです。
ここでは、回転式のメリットと選び方のポイントと注意事項を解説します。
また、実際の取り付けイメージがわかるよう、2台のコンパクトカーに取り付け検証したレポートを公開。一般的な回転式チャイルドシートの取付方法も合わせて紹介していきます。
大事な赤ちゃんのチャイルドシート選びの参考に、ぜひ最後まで読んでくださいね。
1. 抜群の使いやすさ!回転式チャイルドシート4つの魅力
回転式の一番の魅力と言えば、シートがクルッと回る使いやすさ!ここでは、その魅力を発揮する4つのシーンについて解説してきます。それでは、早速確認していきましょう!
1-1. ママに優しい!スムーズな乗せおろしが最大の魅力!
赤ちゃんを抱っこした状態で、クルッと手前にシートを回転させて座らせることができます。
ふにゃふにゃの新生児でもシートベルトをきちっと締めてから、簡単に後ろ向きにすることができ、降ろす時も同様、赤ちゃんと向き合った状態に回転させて、無理のない体勢でスムーズに降ろすことができます。特に産後の腰痛を持つママに優しい機能です。
1-2. 車内のお世話もしやすい!
車での移動の途中、車内で授乳やおむつ替えなどのお世話をする時もあります。
そんな時、360度の回転式であれば、クルっと回転させて向きを変えることができます。赤ちゃんと顔を見合わせることが出来ることで安心して座っていてくれますね。お世話する人も身体をねじらずに抱っこができて本当にラクです。
また、商品によってはリクライニング機能がついていて赤ちゃんが無理な態勢にならずにすわることができるのも魅力です。
※走行中は横向きは危険です。安全のため必ず駐車してください。
1-3. 後ろ向きから前向きへの切替がラク!
新生児から1歳ごろ(体重9kg)までは後ろ向き乗車ですが、その後の前向きへ移行の時は、面倒な付け替えもなくワンアクションで前向き乗車に切替ができます。
1-4. 狭い場所での乗せ降ろしもスムーズ!
大型の回転式タイプは、大型のワンボックスカーや天井の高い車専用に見えますが、実際はコンパクトカーのように乗車口が狭く車高の低いタイプの車にも設置出来ます。また、特にスライドドアではなく開きドアの場合、大人一人入る隙間があれば、ドアを全開にできない場所でも赤ちゃんを抱き降ろすこともできます。狭い駐車場でも赤ちゃんを乗せ降ろしが簡単なのはうれしいですよね。
回転式チャイルドシートは、こんなママパパに向いている!
回転式の一番のメリットは、赤ちゃんの乗せ降ろしが簡単という点です。そのメリットを感じることができるには、頻繁に車を使って子どもと一緒に行動するという以下のようなご家庭が向いています。
◎ 毎日の保育園の送り迎えは車
◎ 普段のスーパーなどの買い物は車
◎ 大人1人と赤ちゃんだけでお出かけする機会が多い人
◎ 自家用車のみでチャイルドシートを使う人
2. 比較検証!コンパクトカーと軽自動車に取り付けてみた
今回は、ナイスベビースタッフの車に回転式のチャイルドシート、ナイスベビーで取扱いのある人気の「ジョイ― アーク360°」を取り付けて検証しました。普段よくある乗せ降ろしのシーンで快適さ不便さを感じるか、回転式の魅力やデメリットも合わせてお伝えしたいと思います。
重さ | 11.9kg(キャノピー付12.5kg) |
サイズ | [後向き時] 幅46×奥行70~73×高さ74~78cm [前向き時]幅46×奥行51~55×高さ82~84cm |
準備した車に、回転式のチャイルドシートを男性の手を借りずに、筆者自身で設置の検証をしていきます!
身長は160cmで力はそこそこあります(笑)建物2階から駐車場までの距離が約100m、足元が見えないので危険を感じつつ、重さ12kgのチャイルドシート持ち運びます。
※妊婦さんが運ぶのは、危険を伴いますのでご家族の方に運んでもらってください。
一般的に、ファミリーカーと呼ばれるワンボックスタイプの車であれば、車内の広さが十分にあるため、回転式のような大きいチャイルドシートでも設置に不安はありませんよね。
一方、軽自動車やコンパクトカータイプの場合、車内空間が狭く天井が低いことで、回転式が取り付けられるか心配になる方もいると思います。そこで、あえて今回は、軽自動車「スズキハスラー」「日産ノート」で検証をすることにしました。
座面の高さ | |
シートを回転させれば、車高が低くても無理な姿勢にはならずに乗せ降ろしはスムーズ。車内に体を入れる必要がないので頭をぶつけることもなくとても楽です。 | |
車内空間(天井の高さ) | |
写真左の軽自動車は車内の天井が高めなので圧迫感はありません。右のコンパクトカーは天井が低めなので、赤ちゃんを覗き込むと天井に頭をぶつけてしまいそうに。 | |
設置方法による車内の空間(後ろ向き・前向き) | |
コンパクトタイプの車の場合、後ろ向き設置の際は、助手席の背もたれにぴったりと付いてしまいます。足元に荷物を置いた場合も出し入れしずらい状態です。1歳頃になり前向き乗車ができるようになれば、圧迫感も軽減されます。 | |
狭い駐車場での乗せ降ろし | |
狭い駐車場や隣の車との距離を気にするとき、ドアを半開きにして赤ちゃんを抱きかかえた時にどうなるか検証したところ、どちらの車の場合も無理な態勢にならずにラクに抱きかかえることができました。 |
総評
回転することで無理な体勢にならずに乗せ降ろしがラクにできる。 チャイルドシートの座面が高めで、前かがみにならずに乗せ降ろしすることができる。 狭い駐車場での乗せ降ろしがスムーズにできる。 |
|
購入金額が高い。 大きく重いため、載せ換えや持ち運びが不便。 |
検証前は、小さい車に大きいチャイルドシートは合わないかも?というイメージを持っていました。
しかし、実際にやってみたところ、軽自動車も車高の低めなコンパクトカーも回転式チャイルドシートは使い勝手がとっても良くて驚きました!特に、乗せ降ろしの時に対面になれるので、大人が体をねじったりしなくていいことや車の上部に頭をぶつける心配がないことに、メリットを強く感じました。
デメリットとしては、購入時の費用が高額なことと、大きく重いので持ち運んだり他の車に付け替えたりするのがが大変なことです。予算面でクリアでき、且つ頻繁に車に乗るなら、回転式チャイルドシートをおすすめしたいと思います。
3. 回転式チャイルドシートの取り付け方を画像で解説
チャイルドシートの取り付け方法は「シートベルト固定」と「ISOFIX固定」の2種類があります。それぞれの取り付け方法をポイントや注意点、さらによくある間違った付け方を画像と共に紹介します。
シートベルト固定 |
シートベルトを使用して座席にシート本体を取付けるタイプの固定方法。従来からある一般的な固定方法です。ISOFIXが装備されていない車への取り付けが可能です。 |
ISOFIX固定 |
シートベルトを使わずに取り付け可能な、国際規格のチャイルドシート固定方式。車に装備されたISOFIXアンカーにチャイルドシートのコネクターを直接ドッキングして固定するので、装着ミスが少なく、誰でも簡単確実に取り付けできます。 |
3-1. シートベルトで固定する場合
シートベルト固定とは、車の3点式シートベルトで回転式チャイルドシートを固定します。
【STEP 1】チャイルドシート本体を座席シートに置きサポートレッグを取り付ける
サポートレッグがしっかり差し込まれているか確認してください。
【STEP 2】シートベルトを長めに引き出す
車のシートベルトは長めに引き出してから設置しましょう。短いと設置途中でシートベルトが足りず、もう1度はじめから設置し直さないといけなくなることがあります。
※夏場は日差しで金具部分が熱くなっていることがあるので要注意!!
【STEP 3】シートベルトを指定の位置に通し、タングをバックルに差し込む
シートベルトのタングを車のバックルに「カチッ」と音が鳴るまで、しっかりと差し込みましょう。
【STEP 4】シートベルトの緩みをとってからロックし固定する
車の腰ベルト部分の緩みをとる為に、斜めの肩ベルトを強く引っ張りましょう。
固定するロック部分に肩ベルトをねじれがないように挟んで固定します。
【STEP 5】レッグサポート(サポートレッグ)の長さを調節する
サポートレッグを調節する際、チャイルドシートの底がしっかり座席シートに接しているか確認してください。
【最終check】座席の背もたれにしっかりついているか確認する
車の座席と背もたれにベースがしっかりと接しているか確認し、ベースを前後左右に揺らし、3㎝以上の大きなグラつきがないか確認しましょう。また、シートベルトにねじれがないか全体をもう一度確認してください。
3-2. ISOFIXで固定する場合
【STEP 1】ガイドキャップを車のISOFIX固定バーに差し込む
ISOFIXガイドキャップがある場合は、車の座席のISOFIX固定バーに差し込みましょう。
ISOFIX固定バーは、車の座面と背もたれの間の奥にあります。背もたれを押し上げるか、座面を押し下げると固定バーが見えます。ISOFIXガイドキャップは、無くても取り付ける事ができます。
※車種によって、ISOFIX固定バーにカバーが掛けられている場合がありますので、車の取扱説明書を確認してください。
【STEP 2】レッグサポート(サポートレッグ)を起こす
レッグサポートが固定されるまで、しっかりと起こしましょう。
【STEP 3】アンカーラッチ(コネクター)ISOFIX固定バーに差し込む
手や指などを挟まないように注意しながらアンカーラッチを引き出し、ISOFIX固定バーに「カチッ」と音が鳴るまで、しっかりと差し込みましょう。 インジケーターが「赤色」→「緑色」に変わっていることを左右両方ともに確認してください。一つでも緑色になっていない場合は、一度取り外してもう一度差し込み直してください。
【STEP 4】レッグサポート(サポートレッグ)の長さを調節する
レッグサポートが付いている場合は、レッグサポートの先端が床面に完全に接するように長さを調節しましょう。インジケーターが「赤色」→「緑色」に完全に変わっていることを確認してください。
※正しく機能しなくなる恐れがあるので、レッグサポートの下や周囲に物を置かないでください。
【STEP 5】座席のシートと接地しているか確認する
サポートレッグを調節する際、チャイルドシートの底がしっかり座席シートに接しているかかくにんしてください。
【最終check】座席の背もたれにしっかりついているか確認する
車の座席と背もたれにベースがしっかりと接しているか確認し、ベースを前後左右に揺らし、3㎝以上の大きなグラつきがないか確認しましょう。
サポートレッグなしのトップテザー固定の場合
トップテザー固定方式は、車のシート背面などにある固定金具とチャイルドシートをベルトで連結する固定方式です。一般的な回転式チャイルドシートに装備されている支えの足をサポートレッグといいますが、衝突時にチャイルドシートが前方に倒れこむ回転方向の動きを支えるための支柱です。トップテザー固定方式は、足元収納を備えた車への取り付けや車のスライドシート機能を使用することが可能です。
※トップテザーはサポートレッグと同様、最新の安全基準R129におけるISOFIXチャイルドシートの回転抑制装置として承認されています。
※車両ごとの装備されている位置は変わります。詳しくは車の取扱説明書にてご確認ください。
4. チャイルドシート選びのポイントと注意点
口コミも高評価のとっても人気な回転式チャイルドシートですが、お使いになる予定の自家用車に取り付けることができるものとできないものがあるので、選び方には注意が必要です!また、使い始めの月齢によっては、使用期間が短いこともあります。ご家族に運転する人が複数人いる場合、必要な情報は共有しておきましょう。
ここでは注意すべきシーンを7つの項目に分け詳しく解説していきます。
4-1. 回転式チャイルドシートのサイズと重量に注意
回転式のチャイルドシートは、重さが10kg~15kgと大きく重くつくられています。
シート本体に土台が付いているため、サイズが大きく高さ・横幅が必要となります。回転やリクライニングしても使用できるかどうか事前に確認しておきましょう!また、座席に一旦固定したら移動させたり他の車に乗せ換えることは難しくなります。
4-2. 買い替え時期を把握しよう
チャイルドシートの着用義務は、6歳未満までと法律で決められているのはご存知ですよね。
回転式のチャイルドシートは、お子様の身体の大きさに合わせるようにクッションを外したり、ヘッドレストを高くして調整したりします。おおよそ3~4歳頃に次の学童用のチャイルドシートの「ジュニアシート」に買い替える必要があるため、買い替えの費用負担があります。
▼ ジュニアシートについて詳しくはこちら
3歳はジュニアシート?体型別おすすめのチャイルドシート1
4-3. チャイルドシートの適合車種を確認しよう
購入する前に、希望の商品と自家用車の座席のタイプが適合するかどうか、確認する必要があります。足元に収納があるタイプや、シートベルトの長さ不足、座席のシート形状、固定具の不備によっても取り付け不可となるケースもあります。ネットで購入する場合は特にご自身で、必ず適合か事前に確認しましょう。取扱店やメーカーに問い合わせるのがおすすめです。開封後に、取り付けられなかったと後悔することのないようにチェックしましょう!
適合車種確認サイト一覧 | ||
4-4. 簡単確実に取り付け!アイソフィックス固定がおすすめ
ISOFIX(アイソフィックス)固定のタイプとシートベルト固定のタイプがあります。どちらの固定方法でも安全基準は通過しているので安全ですが、取り付けミスが起こらないようにアイソフィックス固定をおすすめします。いずれにしても取扱い説明書を確認しながら正しく取り付けをして下さい。
※2012年7月以降に発売された全車種にSOFIXコネクタが装備されていますが、それ以前の車にはついてない為、古い車にはi-Sizeのチャイルドシートを取り付けることができません。
4-5. 安全基準を通過しているか確認すること
チャイルドシートには、安全基準を通ったものか確認する必要があります。販売サイトでの中古で購入の場合、一部安全基準を確認できないものもありますので、注意が必要です。万が一のために準備するものですので、厳しい検査をクリアした商品を選びましょう。
R44/04(旧基準ECE)
日本で流通しているチャイルドシートは、国連欧州経済委員会(United Nations Economic Commission for Europe)が、ECE(R44/04)という安全基準を2012年7月より導入し、現在までは国内で販売されているチャイルドシートはこれに従っています。
R129(新基準i-Size アイサイズ)
従来の安全基準R44から、近年の事故調査や安全テストの結果をもとにさらなる安全性の向上を図る新規格を盛り込んだ欧州の最新安全基準です。これを採用しているチャイルドシートは、生後15か月までの後ろ向き装着や側面衝突対策など、厳しい条件を満たしています。
i-Sizeの適合モデルの商品は安全基準を満たす為に多少大振りになっていて、後部座席のスペースはやや広めに使用するため、中型・大型の乗用車の方がおすすめです。
▼ 安全基準について詳しくはこちら
チャイルドシートの新安全基準R129/i-Size(アイサイズ)を正しく理解しよう!
4-6. 新生児~1歳頃までは後ろ向き&取り付け位置を要チェック
新生児から1歳頃までは、必ず後ろ向きでの乗車となります。旧安全基準で前向き乗車ができるのは、体重が9kgから、目安として1歳頃からになります。また、新安全基準では、後ろ向き乗車が生後15ヵ月までとなり、できるだけ長く後ろ向き乗車することと定められています。
座席の位置については、専用の取扱説明書に明記されているシート位置に取り付けるようにしましょう。誤った位置に取り付けを行うことがないようにしてください。
4-7. 命を守る安全装具は、取扱説明書を読むことが最も重要
何より大事なのは「使用されるチャイルドシート専用の取扱説明書をしっかりと読むこと」です。メーカーや商品によって部品の名称やつくりが異なります。正しく設置ができていないとチャイルドシート本来の機能を発揮することができない事や予期せぬ事故に繋がり兼ねません。
説明書を無くしてしまった!という方は、商品本体にサポートセンターの電話番号や型番が書いてあるので、インターネットで検索して専用の説明書を確認するか、電話で確認してください。ほとんどのメーカーが説明書のダウンロードページや取り付け動画を掲載していますので、対象商品の情報を得ることが可能です。
大切な命を守るためにも、まずは説明書をしっかりと読んで、正しく設置することが大切です。
5. まとめ
いかがでしたか。
回転式のチャイルドシートは魅力たっぷりでしたね!ママパパの声を製品開発に活かしたアイディア商品ともいえます。チャイルドシート選びをする上で大切なのは、赤ちゃんの安全はもちろん、目的やライフスタイルにあったタイプを選ぶことが重要です。
赤ちゃんにとって快適でママパパも使いやすい機能のチャイルドシートを選ぶことで、赤ちゃんとの生活が楽しいものになりますね。
※記事内容は2021年6月現在の情報です。
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